青郊窯の技術
品質の向上と他産地商品との市場価値のバランスの追求
青郊二代目が理系大学から帰郷し家業を継いだ時の窯業界は技術革新の華やかな時期でした。
洋食器の分野では当たり前の状況だったスクリーン印刷による機械的な商品開発と生産が、工芸品の要素を受け継ぐ国内の和食器業界でも、かなり盛んに導入されていたのです。当時は石川県工業試験所内部でも九谷焼のスクリーン印刷の研究が行われていた最中、コンピュータや機械関係に強かった青郊二代目にとってはごく自然に馴染める技術でした。
当時の九谷焼一般商品の更なる表現レベルの向上を目指すこと、また他産地商品との付加価値競合バランスの観点から印刷技法の導入は必然的な選択でした。
弊社は社員数20数名程の小さな会社ですが、そういう規模でありながら、絵具の開発、転写紙の製版及び印刷をすべてインハウスで行います。
現在約500点強の通常商品に加え、各種別注及びコラボレーションと言った特別な商品群も独自の印刷スキームを駆使して、製版、印刷を行っています。
弊社は転写と言えども、”手仕事にも負けないクオリティでの商品開発”を信条に日々商品開発を行っております。
一般の方々がもたれる九谷焼の”優美な色鮮やな色絵”のイメージを損なうことなく、そのガラス質の透明度の高さ、和絵具の盛りの厚さ等の九谷焼の特徴といわれる点を転写紙で再現し、手に取って頂いた方々に納得頂ける商品開発を続けています。